育児の悩み解決法|育児で失敗しないアドバイス





育児休業明けの解雇

 

育児休業を取得して仕事を休んでいる人はたくさんいます。

 

もし、育児休業明けに会社から解雇通知を出されてしまったら、どうすればいいのでしょうか?

 

育児休業後に解雇されるというケースがとても増えていると言われています。

 

これを「育休切り」と呼んでいます。

 

育児休業に関する不利益取扱いの相談件数

 

平成16年度:521件
平成17年度:612件
平成18年度:722件
平成19年度:882件
平成20年度:1,107件

 

妊娠・出産等を理由とした解雇等不利益取扱いの相談件数

 

平成16年度:875件
平成17年度:903件
平成18年度:1,166件
平成19年度:1,711件
平成20年度:1,806件

 

出典:厚生労働省

 

しかし、育児休業は法律できちんと規定された制度です。

 

産前産後休業又は育児休業等の申出をしたことまたは取得をしたことを理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法で禁止されています。

 

「不利益な取扱い」とは、「解雇する」、「正社員を非正社員にする」、「自宅待機命令を出す」、「降格」、「減給」などが挙げられています。

 

産休や育休中であっても解雇することはできません。

 

また、不景気で会社の経営状況が悪く人員削減するなどの理由だとしても、正当な解雇理由がない限り、育児休業を理由に解雇することは出来ないんです。

 

会社の業績悪化を理由に解雇を言われた場合は、一般的には「整理解雇」と言われています。

 

解雇にあたっては以下の条件を満たす必要があります。

 

1.労働者を解雇しなければいけない必要性が認められること。

 

2.解雇の実施に先立ち、希望退職者の募集、賃金引き下げなど合理的な経営上の努力を尽くしたこと。

 

3.解雇基準や解雇対象者の選び方が合理的であること。

 

4.労働者及び労働組合と十分に協議するなど適正な手続きを踏んだこと。

 

もちろん、解雇の理由が産休・育休中だからというのは不当です。

 

ですが、業績不振による業務規模の縮小や労働者の勤務態度の悪さが理由となると正当な理由と扱われてしまう場合もあるため注意が必要です。

 

これはどのような解雇の場合でも同じことが言えます。

 

つまり、育児休業中であってもそうでなくても、会社が客観的で合理的な整理解雇基準を設定し、その基準を公正に適用してリストラする人を決めるのであれば問題ありません。

 

育児休業明けに解雇だと言う事を企業側もハッキリと言わず、転勤や勤務時間の変更など仕事を続けられない状況を作り、育児休業取得者の方から辞めると言わせるように仕向ける会社もあるかもしれません。

 

また、育休切りではなく、経営不振が解雇理由という主張をする可能性が高いと思います。

 

育児休業明けの解雇は禁止されているので、解雇された場合でも「不利益な扱い」として、解雇は無効となります。

 

会社が自主退職を勧めてきた場合でも、これに応じる義務はありません。

 

職場復帰を強く希望し、働き続けたい場合は、キッパリ断ることが大切です。

 

もし、育児休業をしたことを理由に解雇を言われた場合は、解雇通知の撤回を求めることになります。

 

それでも聞き入れられないのであれば、裁判を起こしたり、都道府県労働局長による行政指導を求めることが出来ます。

 

最寄りの都道府県労働局雇用均等室までお問い合わせ下さい。

 

育休明けの解雇は無効であるとの判決も出ています。

 

育休明けの解雇は育休法などに違反するとして、東京都内の女性がドイツ科学誌の出版社日本法人に解雇の無効確認や慰謝料220万円などを求めた訴訟の判決が3日、東京地裁であった。

 

地裁は解雇を無効と認め、慰謝料55万円と未払い賃金の支払いを命じた。

 

判決によると、女性は2014年8月に産休をとって出産後、そのまま15年3月まで育休を取った。

 

育休後に職場復帰を申し入れたが、同社からインド転勤か収入の大幅に下がる職務を提示され、断ると同年11月に「職場の秩序を乱した」として解雇された。

 

吉田徹裁判官は、妊娠・出産間もない時期に、不合理な理由で社員を解雇した場合、解雇理由に妊娠・出産を明示していなくても、育休法や男女雇用機会均等法に違反するとの判断を示した。

 

その上で、女性の解雇を「社会通念上、相当でない」と認めた。

 

出典:朝日新聞

 

ちなみに、不当な解雇による慰謝料は、精神的被害を訴えることで50万円から100万円が相場になるようです。

 

裁判では育児休業を取ったことと解雇に因果関係があるかないか、というところが大きな争点の一つになると思います。

 

産休・育休取得で会社から解雇や退職の要求があった場合は、勇気を持って何らかの行動を起こすことが大切です。

 

泣き寝入りだけはしないようにしましょう。

 

厚生労働省の是正勧告に従わない場合は、社名を公表するなどの措置を行うことが決定しています。

 

会社から発行されている解雇予告通知書は、労働基準監督署への相談の際に必ず持っていきましょう。

 

解雇予告通知書が発行されていない場合は、会社に発行を求めて下さい。

 

会社は、労働基準法第22条に基づいて、解雇理由を証明しなければいけません。

 

労働者が退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。