育児の悩み解決法|育児で失敗しないアドバイス





育児・介護休業法の問題点

 

育児休業は満1歳未満の子供を育てる労働者にとって、とても助かる制度だと思います。

 

しかし、育児・介護休業法には多くの問題点もあります。

 

育児休業は育児中であれば男性でも当たり前に取得できる労働者の権利です。

 

それにも関わらず育児休業の利用者はほとんどが女性で、男性の割合はとても少ないすね。

 

【育児休業者がいた事業所の割合】

 

<女性>

 

平成24年:84.8%
平成25年:86.5%
平成26年:86.6%
平成27年:84.0%
平成28年:85.9%

 

<男性>

 

平成24年:4.0%
平成25年:3.4%
平成26年:4.2%
平成27年:4.4%
平成28年:5.4%

 

※厚生労働省のHPより引用

 

厚生労働省は2020年までに男性の育児休業取得率を13%するという目標を掲げていますが、依然として進んでいません。

 

育児休業制度や短時間勤務制度を利用したいという男性は3割を超えていますが、実際の取得率とは大きな差があります。

 

女性の場合は、産前産後休業から育児休業へ入るのが一般的な流れです。

 

しかし、男性は育児休業を取ることに抵抗があったり、会社が男性の育児休業取得への理解が少ないといった背景があって、なかなか取得率が上がっていません。

 

その他にも「職場の人手不足により、業務の引継ぎが困難」、「昇進、昇給に影響がありそうだと感じられる」、「復職後の降格、降級への不安」、「会社に育児休業取得した男性の前例がない」、「子育てに自信がない」などが、男性の育児休業取得を阻む要因として挙げられます。

 

そのため、会社は男性であっても育児休業を取得しやすい職場環境を作る必要があると思います。

 

また、出産すると育児休業を取得せずに、会社を退職する女性もまだまだ多いように思います。

 

出産前に仕事をしていた女性の約7割が出産を機に退職しており、育児休業制度の利用者は増えているものの、出産前後で仕事を継続している女性の割合は、この20年間ほとんど変化がありません。

 

【第1子出産前後の女性の就業状況の変化】

 

出産1年前:有職73.5%

 

出産半年後:無職67.4%

 

※パート・アルバイト等含む。
※厚生労働省「第1回21世紀出生児縦断調査結果」(平成14年)より引用

 

【出産を機に退職した理由(女性正社員)】

 

<妊娠・出産前後に退職した理由>

 

家事・育児に専念するため自発的に辞めた:39.0%

 

仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた:26.1%

 

その他:9.8%

 

解雇された、退職を推奨された:9.0%

 

育児を機に辞めたが出産等に直接関係ない:7.2%

 

夫の勤務地や転勤で仕事を続けるのが難しい:4.7%

 

子を持つ前と仕事の内容や責任等が変わってしまいやりがいを感じなくなった:2.6%

 

特にない:5.0%

 

<両立が難しかった具体的理由>

 

仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めたと回答した人が対象。

 

勤務時間があいそうもなかった:65.4%

 

職場に両立を支援する雰囲気がなかった:49.5%

 

自分の体力がもたなそうだった:45.7%

 

育児休業を取れそうもなかった:25.0%

 

子どもの病気等で度々休まざるを得なかった:22.9%

 

保育園等に子どもを預けられそうもなかった:20.7

 

会社に育児休業制度がなかった:19.1%

 

つわりや産後の不調など妊娠・出産にともなう体調不良のため:18.1%

 

家族が辞めることを希望した:18.1%

 

その他:6.4%

 

※出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「両立支援に係る諸問題に関する総合的調査研究」(平成20年)

 

妊娠・出産前後で仕事を辞める理由として、「両立が難しかった」または「解雇・退職勧奨された」とする女性労働者が約35%います。

 

現在、出産を機に女性が会社から解雇される「産休切り」、「育休切り」が社会問題になっています。

 

平成21年3月16日に厚生労働省は「現下の雇用労働情勢を踏まえた妊娠・出産、産前産後休業及び育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱い事案への厳正な対応等について」という通達を出しました。

 

しかし、会社からの不当な解雇を言い渡され、泣き寝入りしてしまう女性も少なくないようです。

 

育児・介護休業法では育児休業等の取得を理由とする不利益な取り扱いは禁止されています。

 

ですが、会社が違反した場合には罰則等の規定は一切ありません。

 

仮に訴訟を起こして裁判に勝ったとしても不法行為として認定されるだけです。

 

事業主には懲役や罰金などのペナルティーは全くありません。

 

労働局に相談しても労働局長による助言、指導、あっせんは、何の強制力もありません。

 

労働局長から是正指導されたとしても、会社側は決して育児休業の取得を理由に解雇したなどとは言いません。

 

過去の勤務成績や勤務態度、勤務年数を考慮した結果、あなたが解雇者に選ばれたなどと言うでしょう。

 

また、育児休業を利用できない理由に育児休業中の給料の問題が大きく関係していると思います。

 

育児休業中の収入減少は、家計に直接的に影響を及ぼす大きな問題ですよね。

 

育児休業中の給与は無給でもかまわないと法律で決められています。

 

そのため、ほとんどの企業は育児休業中の労働者には給与を支払っていません。

 

育児休業中の手当て(育児休業給付金)はありますが、働いていた時と収入を比較した場合少ないため、経済的に苦しいと思います。

 

昔に比べると女性の社会進出は進んでいますが、それでも男女間の収入格差はまだまだ大きいと言えます。

 

事実、厚生労働省の調査によると女性の平均賃金は男性の約7割にとどまることが明らかになっています。

 

こうした状況を踏まえると、男性が気軽に育児休業を取得するのは難しいと言えるでしょう。

 

北欧で男性の育児休業取得率が多い理由の一つに、育児休業中の収入の減収が少ないということがあります。

 

北欧の中でも特にアイスランド、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーは育児がしやすい国として有名ですね。

 

アイスランドでは育児休暇を取得する前の給与の80%が育児休暇中に支給されます。

 

しかし、育児休暇を取得しないとその支給を受け取る権利がなくなってしまうため、約90%の男性は育児休暇を取得するそうです。

 

また、女性が職場に赤ん坊を連れていくことは当たり前です。

 

父親専用の育児休暇が最も多い国でもあり、ママ3ヶ月、パパ3ヶ月、更にプラスで3ヶ月育児休暇を分担して取得することが可能です。

 

男女平等が進んでいるスウェーデンでは、共働きが当たり前となっているため、専業主婦の割合はわずか2%しかありません。

 

出産後もほとんどの女性が仕事をしています。

 

スウェーデンではパパとママ合わせて480日の有給育児休暇を取得することができます。

 

育休中の390日間は育休前の80%の給与が支払われます。

 

そしてパパは最低3ヶ月の育児休暇を取得しなければならないと決まっています。

 

そのため、スウェーデンでは男性の育休取得率は90%近くもあります。

 

また、有給でなければ子供が8歳になるまで育児休暇を取得することができます。

 

フィンランドでは第1子が生まれた際、母親手当として現金140ユーロか、育児パッケージの2つから選ぶことができます。

 

育児パッケージの中身は、ベビーケアアイテム・ベビー服・子育てに必要なアイテム等が約50点も入っているそうです。

 

ノルウェーの育児休暇取得率は、男女ともに90%を超えています。

 

ノルウェーでは育児休暇をパパとママ合わせて最大54週、うち10週間はパパが取得しなければならないという「パパ・クオータ制」が導入されています。

 

子供が生まれてから3歳になるまでは、好きな時に休暇の取得が可能です。

 

もしパパが育児休暇を取らなければ休暇や給付金をもらう権利が消滅してしまいます。

 

育児休暇中に支給される給付金は、給料の80〜100%です。

 

高い給付金を得られることで、育児休暇中の経済的負担が少なくなったことも、取得率を押し上げた理由の一つでしょう。

 

ノルウェーでは法律で育休を理由とした職務の降格や減給処分は禁じられているため、育休を取得する前と同じ職場・同じポジションに戻ることができます。

 

また、日本では「男性は仕事、女性は家庭を守る」といった考えた方が根強く残っているので、これも育休取得率が低い原因の一つだと思います。

 

母親が育児を出来る状態の場合は、父親の育児休業の取得は難しいのではないでしょうか。

 

その他、日本では育児休業の取得の対象にならない労働者がいることも、育児・介護休業法の問題点だと思います。

 

【労使協定により対象外にできる労働者】

 

●入社1年未満の労働者(新入社員など)
●申出の日から93日以内に雇用期間が終了する労働者
●1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

出典:厚生労働省

 

日本でも育児に積極的な父親を「イクメン」と呼ぶなど、昔に比べて育児に参加する男性が増えているのは事実です。

 

ですが、ここで紹介したような育児・介護休業法の問題点が改善されない限り、夫婦が子供を育てながら安心して働けるような社会にはならないでしょう。